「私の人生、このままでいいのかな…。」そんな悩みを一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。

時が過ぎるとともに少しずつ忘れていっては、また思い出す。

なんとかしようと行動はせずに、モヤモヤを抱えたまま生きていませんか?この記事は、もやもやをずっと抱えたまま会社に居続けたものの、40歳で「このままではいけない」と大企業を辞め、独立を決意。そして現在は街角キャリアメンテナンスでカウンセラーを担当し社会人のキャリアをサポートする、羽田啓一郎さんのインタビューです。

少しずつ離れていった、自分と大企業の方向性

−本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、羽田さんのこれまでのキャリアの歩みを教えてください。

大学卒業後、新卒でマイナビに入社し、大手企業の法人営業を担当しました。入社5年目で全社年間MVPをいただき、30代では新規事業として学生向けのキャリア教育事業であるMY FUTURE CUMPUSやキャリア甲子園などを立ち上げました。そして2020年3月にマイナビを退社して、株式会社Strobolightsを創業し、複数の企業のアドバイザー業務、そして大学での講演や大学生向けキャリア支援サイト「街角キャリアラボ」の運営などをしています。この街角キャリアメンテナンスも個人的な問題意識をもとに立ち上げました。

−お話を伺う限りマイナビ時代、特に30代は新規事業などのやりたい仕事を叶え、充実していたように思えます。そんな中、なぜマイナビを退職するに至ったのでしょうか。

確かに、新規事業は楽しくて充実していました。退職を考えるようになった一番の要因は、方向性の違いですね。自分と会社が同じ方向を見ているわけではなかったんです。

入社時は小さな会社だったマイナビもどんどんと大きくなり、次第に業界No1となり全国の多くの学生に利用していただけるサービスになりました。

一方で僕は相手の顔と名前が一致するような、一人ひとりに向き合う仕事がしたいと思っていた。30代になって、裁量権のあるやりたい仕事ができる立場になったからこそ、方向性のずれが見えてきましたね。どちらが正しいとかの話ではなく、大企業として大切にすべきスケール感と、僕個人の価値観が合わなくなった、というわけです。

40歳という節目での退職

−実際に退職に踏み切ったのは何歳ごろでしたか?

40歳です。年齢の大きな変わり目を迎えたことがきっかけとなりました。30代後半から方向性の違いなどのモヤモヤをずっと抱えてはいたものの、蓋をして見えないようにしていた。

しかし、40歳という節目が迫ってきた時に、ふと「このまま、不安や疑問を抱えたまま生きていってもよいのだろうか」と想いが込み上げてきました。人生の折り返し地点の年齢になり、これまでは全く視野になかった、残りの人生をどう使おうか、と急に考え始めたのです。こうしてモヤモヤを抱えながら働く日々に終わりを告げ、2019年5月、39歳のタイミングで退職を決意しました。そこから1年間かけて退職の準備をしていました。

−羽田さんが退職を悩んでいた時に、相談していた相手などはいましたか?

はい。僕は社外の人に自分の想いを話していました。当時は部長という立場もあり、同僚に簡単に話せる内容ではなかったので。

社外の人に自分の考えを、自分なりの言葉で伝えていくうちに、なんだか気持ちと頭がスッキリと整理されていく感覚があったのです。話すことで自分の考えが綺麗にまとまっていった。こんな小さなことで悩んでいたのかと思うこともあれば、自分は独立したいんだなと気付くこともあり…。

あの時は、ただ話を聞いてもらうことが自分の考えを整理する一番良い方法だったなと思いますよ。

大切にしたい価値観を守って生きる

−羽田さんが会社を辞めることを決意した後の話を聞いていきたいと思います。退職にあたり、最初から独立は視野に入れていたのでしょうか。

興味はありましたが、当初は転職活動をしていました。僕にも家族やローンがあったので、リスクが伴う独立は最初は考えていませんでした。転職エージェントへ出向き、3ヶ月ほど転職活動をしていたのですが…あまりうまくはいきませんでしたね。

実はせっかく転職をするのであればと、全く異なる業界、しかもベンチャー企業で働いてみたいと考えていました。ですが、当時40歳で大企業の部長職。家族のこともあり年収もある程度キープしたいとなると、なかなか条件に合う会社はなかった。

同業種でより良い条件を提示してくれる会社もあったのですが、前職と似たような環境。モヤモヤを抱えたまま生きたくないと思って転職するのに、また同じ道を辿るほど馬鹿な話はない。それならば、一回自分のやりたいようにやってみよう、と以前から興味のあった独立を選んだ、というわけです。

−なるほど。しかし、独立をするとなると責任が羽田さん一人に降りかかるなど、不安が大きいですよね。精神的に苦しいものはなかったのでしょうか。

もちろんありましたよ。僕が独立したのは2020年3月と、まさにコロナ初期の最悪のタイミングでした。決まっていた仕事もなくなったり…当時はどうしたものかと、不安は大きかった。ですが、それは前職でも同じです。

マイナビ時代の僕は、目隠しをされて人生の手綱を誰かに引かれてるようなもので、「自分はどこに連れて行かれてしまうのか」と不安でした。結局、人生の手綱を会社に預けていたようなものです。でも独立した今は、「この方向でこの先やっていけるのかな」と常に不安は抱えているのですが、自分の人生を操縦しているのは自分であるということが大きく違いますね。確かに責任は重くなりましたが、僕にとっては自分次第で変えられる不安の方が辛くないんですよ。

−どちらを選ぶにせよ、不安はつきものなのですね。マイナビではかなり大きな仕事も任されており、やりがいのあるものだったと思います。その点で、後悔はないですか?

確かに、周りの人が規模の大きな仕事をしている話を耳にすると、羨ましく思うこともありますよ。ですが、前職に戻りたいという気持ちはありません。

なぜかというと、自分にとって本当に大切なことを知っているから。転職を考え、色々な人に相談をしていた際に、自身の価値観がはっきりとわかるようになりました。それ以前も薄々と気がついていたのですが、言語化したことで姿がはっきりと見えるようになって。

だからこそ、大切にしたい価値観を守って生きることが、僕にとって幸せな人生なんだとよくわかります。

−転職の際に葛藤し、社外の様々な人に話を聞いてもらったことで、羽田さんの価値観が明確になっていったのですね。

はい。自分の気持ちを自分の言葉で伝えていったことで、しがらみの中に埋もれていた自分の潜在的な価値観を見つけだすことができました。

しがらみに苦しめられる社会人の存在

−昨年から今年にかけて、コーチングの知識を身につけられたと思うのですが、何かきっかけがあったのでしょうか。

これからも今のキャリアを歩んでいくために、自分自身をアップデートしなければという想いがあります。ですが、先ほどお話した退職を悩んだ時の実体験の影響が大きいです。

僕が自分の気持ちを言葉にしたことで考えがはっきりしたように、他の人に話すことで得られることは大きいんですよ。職業柄、学生や社会人からキャリアの相談をしてもらうことも多かったので、その人たちをきちんとコーチングしていけるように、とTHE COACH ACADEMYに入ってコーチングを学びました。

−羽田さんが実際に社会人から相談を受けて、何か思うことはありましたか?

やはり、様々なしがらみに苦しめられている社会人はとても多いですね。そして、そのことに自分自身が気付けていないんですよ。

実際に「会社を辞めたくて…」と相談を受けても、僕と話をした結果、会社は辞めずに続ける意思を持ち直す人も多いです。それはそれで全然いいことだと思っていて。第三者に話すことで考えがまとまり、これから同じ会社でどう頑張っていくかの方向性が見つかれば、少しは苦しみから解放されるんじゃないかな。

悩みを抱える社会人にひとこと

−最後に、キャリアに悩みや不安を抱える社会人に向けてひとことメッセージをお願いします。

もしもあなたが現状に疑問や不安を抱えているのであれば、早めに向き合うことをお勧めします。そのモヤモヤが短期的なものが原因なのであればいいのですが、長期的なものが原因だったら、今は蓋をして誤魔化すことができても、いつか絶対に溢れてきます。これは僕が辿った道です。結果、我慢できなくなって自分は40代で転職活動をしましたが、条件的にも年齢的にも厳しかった。

僕たちは就職エージェントではありません。だからこそ、皆さんにいち早く新しい職を見つけてもらうことが目的ではなく、「どのように生きていきたいのか」といった気持ちに向き合うことができます。

僕自身がモヤモヤを抱え、向き合い、独立した経験があるからこそ、キャリアに悩みを抱える誰かの役に立てると思っています。

悩みを自分の言葉で表現していくことで、一緒に考えを整理していきましょう。僕なら、きっと役に立てると思います。

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